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2015.03.09

特別注文~犬の像

約一年ほど前にご夫婦でご来店されたSさん。「とても可愛がっていた愛犬が天に召されて1年経ったのに、お墓に入れられないの。お庭にお墓作って墓標として置く犬の置物を探しているけれども、愛犬に似たものがまったく見つからず、ずっと探しています」
では、陶芸家に製作を頼んでみましょうか?という所から話は始まりました。
茶碗やお皿を作る陶芸家、オブジェを作る陶芸家さんは知り合いに居られるのですが、犬の置物となるとどなたに頼もうか。京都の知り合いの陶芸家にはやっていただけそうな方が思い当たりません。
狸の置物なら信楽焼なので、信楽焼の方で探してみよう!可愛い熊のぬいぐるみみたいな置物が飾ってある工房を訪ねてみました。二回目に作ってくださる陶芸家に会えました。お客様の熱意をお伝えして製作依頼を受けてくださいました。
お客様から預かった愛犬チャックの写真を見せて、イメージを一緒に考えました。黒い毛の色と白い色をどう表現するか、赤土ベースの白かけか、白ベースに黒をのせるか。

何度か打ち合わせし、お忙しくない時に作ってくださるということで、年明けてようやく出来上がりました。

首にはチャックの名前プレートが掛かります。Sご夫妻と対面の時、私は気に入っていただけるかドキドキでした。「年取った時のチャックに似てるわ。晩年の写真をお渡ししたのだからそうね。ありがとう」と言っていただきほっとしました。
「これで、お庭にお墓作ってあげられる。やっとチャックを自由にお外で遊ばさせてあげられるわ」

何度も信楽に足運び、ようやく出来上がったチャック像。お客様にも喜んでもらえたし、私も在りし日のチャックが楽しく庭駆け回る姿を想像して嬉しくなりました。